阿部真央はかなり好き。
好きになって、もう20年近くは経つはずだが、最初からというわけではない。
自分が20代前半の頃から彼女の存在は知っていた。
あくまでその当時の自分のイメージだが、今よりもっと尖った印象で、曲も表現も激しい楽曲が目立つ、悪く言えば生意気なイメージが強かった。
だから曲自体を耳にする機会はあっても、じっくり聴き込む事はなかった。
いつかの合コンでも女性が歌っていたような気がするが、何の曲だったかは覚えていない。
今時の女の子の感情を歌った歌だね。
男である自分には響かない。
むず痒くなる感じが受け付けられない。
あの頃はなんて斜に構えていたのか…
でもそんな記憶が残っているのは何故なのか?意外と耳に残っていたのかもしれないですね。
楽曲との再会
それから少し時間が経ち、阿部真央の曲をじっくり聞く機会が訪れた。
その前にまず、私の一つの楽しみというか、恒例になっていたイベントについて少し説明をする必要がある。
私は学生の頃から車で遠出をするのが好きで、石川から静岡の実家まで帰省したり、島根の水木しげるロードを見に行ったり、マグロを求めに青森の大間崎に行ったりと、長時間の運転をする時間を大切にしていた。
そんな時は大抵一人で行動することが多いわけだが、その旅中はCDを10〜15枚ほど借りて、運転中に最初から最後まで聴いてみるという楽しみがあった。
興味のあるアーティスト、話題になっていた曲、そこまで興味が湧かないもの、ジャケットが気に入ったもの、なるべく偏見を無くせるように色々選んでいた。
そういう決まり事にしていた。
染み込む
残念ながら、もういつのタイミングかは忘れてしまったのだが、TSUTAYAで阿部真央のベストアルバムを発見した。
青っぽい無機質な背景に19-24という数字。
※ベスト・アルバム『シングルコレクション19-24』
以前に感じた阿部真央のイメージとは違う、20代前半の女性のアルバムとは思えない印象をうけた。
そこにビビっと来たので借りることにした。
アルバムの一曲目は
「伝えたいこと」
何度か耳にした事のある曲だったが、その時は別物だった。
曲の序盤で目頭が熱くなり、その時点で引き込まれていた。
その曲を聴き終わる頃には、次の曲はどんな?次の曲は!
すでに好きになっていた。
自分の好みに合った曲や歌というのは、トレーニング後の水のように抵抗なく身体に染み渡り、満たされていく感覚がある。
まさにそんな感じだった。
阿部真央の歌声は伸びやかで、声色も多彩、高音や抑揚の付け方が自分の好みとバッチリ合致する。
少し鼻に響かせているような声からは温かみや包容力を感じられ、そこから高音に移行した時の突き抜ける、弾ける感じが脳汁を誘発する。
尖っていると感じていた歌詞もよく聴いてみると、向こう見ずな勢いではなく、理想へ向かう意思や傷つきやすさなどから来る表現なんだろうと思えた。
男としても共感・考えさせられるところが多く、言語化の巧妙さにも感服した。
そして、アルバムを聴き終えた頃には
(天才いたわ…)
天才という言葉が頭のなかでぐるぐる回っていた。
ちなみにこの前、妻がサプライズでライブに行く機会をプレゼントしてくれた。
今まで録音の音源でしか聞いたことがなかったが、ライブはこれまた別格だった。
初のあべまのライブは感動で涙が出た。
悲しみで涙が出ることはよくあるけど、ポジティブな感動で涙するのはめったに無い。
言葉で表現するのは難しいが、圧倒的な迫力があり、歌声で魅了する力がある。
多くのライブに行ってきたライブ好きの妻も、その初見のライブであべまのファンになった。
曰く、「私のライブ人生の中でもかなり上位」らしい。
ライブに行く少し前まで、対して曲も知らなかった妻が。
その後すぐに夫婦でファンクラブに入った。
物事の受け取り方というのは年齢によって変わる事もあるが、元々の受け取る姿勢による所が大きい。
阿部真央に関して言えば、初っ端からハマっていた可能性は高いのに、自分の姿勢のせいで数年空いてしまっていたことは勿体なかったなと。
ただ、同じ時代で出会えたことは感謝しかない。
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