1. 企業概要
- 会社名:株式会社ジェイテック
- 証券コード:2479 (j-tec-cor.co.jp)
- 上場市場:東京証券取引所スタンダード市場、名古屋証券取引所メイン市場 (j-tec-cor.co.jp)
- 設立:1996年8月16日 (j-tec-cor.co.jp)
- 資本金:2億6,183万円(2025年3月末) (j-tec-cor.co.jp)
- 従業員数:292名(2025年3月末) (j-tec-cor.co.jp)
- 本社所在地:東京都中央区(京橋) (j-tec-cor.co.jp)
- 事業内容:
・技術職知財リース事業(人材派遣および請負・業務委託) (j-tec-cor.co.jp)
・機械設計開発、電気・電子設計開発、ソフトウェア開発 (j-tec-cor.co.jp)
・ソフトウェアの自社開発および受託開発 (j-tec-cor.co.jp)
・技術教育サービス、コンサルティングサービスなど (j-tec-cor.co.jp)
この会社、要するに「技術系の人材派遣+受託開発+設計技術業務」が柱。得意分野を広めに持とうとしてる感じ。強みとしては、専門技術者を自社で抱えてプロジェクトに投入できること、設計・ソフト・制御の複合対応できる点。顧客は製造業や重工、電機、インフラなど技術要求の高い系統が多いと見られる(実際、取引先に三菱重工、日立、デンソー、東レ、ヤマハなどがいる) (j-tec-cor.co.jp)
業界構造的に言うと、技術者派遣・SES (システムエンジニアリングサービス)系と開発受託系の混合プレーヤーで、技術力と受注獲得力の両方が問われる複雑な環境にある。
2. 直近の業績と収益性
以下は直近の決算データをベースにした数字。完璧な精度を保障できないが、大まかな傾向は読み取れる。
| 決算期 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 経常利益(百万円) | 当期純利益(百万円) | 前年比等の動向 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2024年3月期 | 3,242 | 229 | 226 | 163 | 売上高 +2.0%、営業利益 +28.7% (株予報 Pro) |
| 2025年3月期 | 3,393 | 329 | 330 | 228 | 売上高 +4.7%、営業利益 +43.7%、純利益 +39.9% (株予報 Pro) |
| 2026年3月期(会社予想) | 4,000 | 400 | 400 | 240 | 増収増益予想、営業利益率改善見込み (IFIS株予報) |
- 営業利益率:2025年3月期で約 329 / 3,393 = 9.7 % 程度
- ROE/ROA:直近公開情報では松井証券が ROE 約 16.08 % と記載(2025年時点) (マツイ証券)
- その他:2026年3月期第1四半期は、売上高 8.11億円(前年同期比 -1.0%)・営業利益 2,200万円(同 -40.8%)と減収減益のスタートになっているという情報もある。 (Yahoo!ファイナンス)
注意:第1四半期で業績が落ちていることは、通年予想にとっては重しになる可能性。堅調期と不調期の振れが大きい業界だと思われる。
3. セクター分類と指標平均
この会社は「サービス業」に分類されている(技術系サービス)。 (Nomura Quote)
ただし、「ITサービス/システムインテグレータ」または「技術派遣・エンジニアリングサービス」など、より狭い業界セグメントで比較すべきだが、公開情報での “サービス業一般” 指標平均は手に入りにくい。
代替として、IT・ソフトウェア業界、あるいはSES/システム開発系企業の利益率・ROE平均を見たら、おおむね営業利益率 5~10%、ROE 10~15%前後という企業が多い。ジェイテックの 9〜10%台の営業利益率と ROE 16%前後は、この手の中では上位寄りか、少なくとも悪くない部類に入る可能性がある。
4. セクター平均との乖離と要因
- ジェイテックの営業利益率・ROEは、同業・近業界の中で「やや高め」か競争力がある方に入る可能性がある。
- なぜ利益率が高めを維持できるか考えると:
・専門性の高い設計・技術者を提供できる → 高マージン案件を取れる
・複数技術領域(機械、電気、ソフトウェア)を横断できる案件対応力 → 顧客にとってワンストップ性が武器
・受託開発と派遣の併用形態でリスク分散
・継続契約型の技術支援・教育・保守など、ストック型収益の割合を持ててればブレを抑えやすい
ただし、上記要因が常に働くわけではない。例えば、技術者確保コストの上昇や受注競争激化、為替変動、景気後退などが逆風になる。
5. 売上構成比
公開されている資料で明確に「設計 vs 派遣 vs ソフト受託 vs 保守」などの割合は見つからなかった。IR資料には「技術職知財リース(=技術者派遣・請負)」を事業の軸としつつ、設計開発・ソフト受託開発も重要な柱と記されている。 (j-tec-cor.co.jp)
推定例(仮定ベース)としては、売上の半分前後が人材派遣・請負収益、残りを受託設計・開発案件が占める構成、というモデルが近そうだが、正確な割合は決算資料や有価証券報告書で確認する必要あり。
6. 財務健全性
- 自己資本比率:松井証券データによれば自己資本比率は約 64.0 %。 (マツイ証券) これはかなり健全な水準。
- 有利子負債比率:有利子負債が 81百万円、有利子負債倍率 5.71%というデータあり。 (マツイ証券) これは借金依存度低め。
- 流動性・キャッシュフロー:公開情報からキャッシュフロー詳細までは取得できなかったが、利益を出していて手元に余力があれば、十分な流動性を維持できる可能性はある。
- 利益の変動性リスク:第1四半期で赤字化するなど業績振れが大きい点が懸念要因。 (みんかぶ)
総じて、財務的には健全性は高め。だが、業績が波を持つ性質は要注意。
7. 過去10年の推移と今後の展望・リスク
過去10年の推移:
公開資料で10年分すべてを網羅できてはいないが、直近数年の推移を見ると:
- 増収傾向:2024→2025期の連続増収。 (株予報 Pro)
- 利益拡大傾向:営業利益、経常利益共に増益率が大きい期あり。特に 2025年3月期は利益の伸びが目立つ。 (株予報 Pro)
- ただし、四半期で見ると業績が落ち込む局面もあり、第1四半期で赤字転落という報道もある。 (みんかぶ)
今後の展望とリスク:
見通し(成長要因)
- 技術トレンド(DX、IoT、スマート製造、AI・制御系ニーズ増)に乗れる可能性
- 継続的な技術者教育・技術力向上による高付加価値受注拡大
- 受託開発、ソフトウェア化案件の増加
- 顧客との中長期契約や、保守・運用収益を積み上げて安定基盤化
リスク
- 技術者確保競争:優秀な人材を確保できないと成長鈍化
- 受注競争激化:価格競争に巻き込まれるリスク
- 景気変動:設備投資抑制や技術投資のリスク
- 四半期変動:第1四半期で収益落ちるような偏りが通年に波及する可能性
- 顧客依存リスク:大口顧客の動向に影響を受けやすい
8. 競合他社との比較と立ち位置
競合には、同じく技術系派遣・受託開発を手がけるSES/SIer/設計系企業が入る。たとえば中堅の技術系企業、エンジニア派遣企業、SIer企業など。
比較観点:
- 規模:ジェイテックは売上数十億円程度、中堅以下の規模。大手IT/SIerとは桁違いの規模差あり。
- 利益率:大手だとスケールでコスト優位性をもつが、逆に経営効率や組織の重さで収益率を削る傾向もある。中堅のジェイテックはフットワーク軽く利益率を取るポジションを取れるかもしれない。
- 技術対応力:設計 + 電気 + ソフト + 制御を横断できる能力があるかどうかで競合との差異化。
- 安定性 vs 成長性:大手は安定性重視、中堅は成長性と技術力で勝負する傾向。
ジェイテックの立ち位置は、技術力重視型の中堅企業。ニッチ~中堅領域で、専門性を武器に選ばれるタイプ。
9. 総括
ポジティブな面:
- 利益率・ROEともに同業界で悪くない水準を維持
- 財務基盤は比較的健全(自己資本比率高め、借入少なめ)
- 技術領域が複合的で、顧客ニーズ対応力がある可能性
- 成長余地:DX、IoT、ソフトウェア化など技術潮流に乗る可能性
ネガティブな面:
- 業績の四半期変動が大きく、中期でのブレが怖い
- 技術者確保競争、価格競争、顧客依存といったリスク常在
- 第1四半期で赤字化するような傾向が通年予想を圧迫する可能性
- 規模拡大には相応の投資とリスクも伴う
中長期的に見ると、技術トレンドにうまく乗り、安定した受注基盤を構築できれば成長余地はある。ただし、「ブレを抑える体制づくり(受注多様化、顧客ポートフォリオ、ストック型収益の構築など)」が鍵になる。投資するなら、四半期決算動向を注視しつつ、技術分野の強みが持続可能かどうかを重視すべきだ。