株式会社プラッツ(7813) 高品質・高機能・低価格で医療・介護ベッドを届ける、福祉用具メーカー


1. 企業概要

  • 正式名称:株式会社プラッツ(英文名:PLATZ Co., Ltd.) (platz-ltd.co.jp)
  • 設立:1992年7月3日 (platz-ltd.co.jp)
  • 資本金:約5億8,205万円 (platz-ltd.co.jp)
  • 従業員数:単体で約100名強、連結で約140~150名ほど (platz-ltd.co.jp)
  • 本社所在地:福岡県大野城市 (platz-ltd.co.jp)
  • 拠点:全国に支店・ショールームを展開(北海道、東北、関東、東海、関西、中四国、九州) (platz-ltd.co.jp)
  • 主要事業内容:医療・介護用ベッド、マットレス、関連ベッド周辺機器の製造・販売 ◆ 国内企画設計 + 海外(ベトナム・中国・韓国など)協力工場での製造 (platz-ltd.co.jp)
  • 主な取引先:医療機器販売会社、介護用品販売会社、福祉用具貸与事業者、病院・介護施設、家具店など (platz-ltd.co.jp)
  • 上場市場等:東京証券取引所スタンダード市場、福岡証券取引所 Q-Board 等 (ウィキペディア)
  • 企業ビジョン・強み:
     • “高品質・高機能・低価格”を基本テーマに据えていることを掲げている (platz-ltd.co.jp)
     • 出荷実績:これまでに医療・介護用電動ベッドで約70万台を超える出荷実績あり (platz-ltd.co.jp)
     • 事業構造上の優位性として、在宅介護ベッドで国内トップクラスという見方もある(ビジネスモデル解説記事より) (チームマイクの企業分析)
     • 海外展開:協力工場を海外に持つことでコスト競争力を確保(部材調達・製造拠点)
     • BtoBチャネル重視:医療・介護業界を中心に専門流通ルートを持つため、直接消費者向け競争には比較的晒されにくい

要するに、ニッチで専門性が強い市場(医療・介護ベッド)に特化し、コスト制御と流通チャネルを武器にビジネスを回している会社と見られる。


2. 直近の業績と収益性

以下は調べられた決算データ。資料にばらつきがあるので、慎重に扱ってほしい。

決算期売上高営業利益営業利益率経常利益当期純利益備考
2022年6月期約 63.79 億円 (株探)−1.08 億円(営業損失) (platz-ltd.co.jp)0.25 億円 (platz-ltd.co.jp)2.22 億円 (platz-ltd.co.jp)減収・赤字転落
2023年6月期約 63.12 億円 (リクナビジョブ)−1.08 億円(同様の営業赤字) (platz-ltd.co.jp)0.25 億円弱(経常利益) (platz-ltd.co.jp)2.22 億円(親会社株主に帰属) (platz-ltd.co.jp)利益低迷継続
2024年6月期約 63.87 億円(前年比 +1.2%) (〖公式〗データ・マックス NETIB-NEWS)+0.37 億円(黒字化) (〖公式〗データ・マックス NETIB-NEWS)約 0.58%1.87 億円(+645.7%) (〖公式〗データ・マックス NETIB-NEWS)0.65 億円(−70.5%) (〖公式〗データ・マックス NETIB-NEWS)営業利益回復、だが最終は減益
2025年6月期(予想)約 84.22 億円 (株探)1.83 億円約 2.17%2.40 億円1.92 億円予想ベース (株探)
  • ROE/ROA:これらの指標は公表資料で見つからなかった(または非開示)。
  • 第3四半期進捗(24年7月~25年3月累計):売上高 63.38億円(前年同期比 +30.7%)、営業利益 1.74億円(同 +183.1%)、経常利益 2.11億円(同 +19.9%) (Yahoo!ファイナンス)
  • 通期業績見通しの上方修正:通期経常利益を従来見通し1.6億円 → 2.4億円(前年比 +28.3%)に修正、配当も14円 → 18円に増額修正 (株探)


業績は波が激しい。2022〜2023期は赤字に沈み、2024期にかろうじて営業黒字化。ただし最終利益はコストや特損・繰延税金資産の取り崩し影響を受けて減益。2025期は比較的楽観予想が入ってるが、売上の大幅拡大前提なので慎重に見たい。


3. セクター分類と指標平均

プラッツは “その他製品” 業種分類で扱われており、医療・福祉機器に近い “医療・福祉用具” セクターとの比較が妥当と思われる (Yahoo!ファイナンス)

ただ、公開情報で「医療・福祉用具」セクターの平均指標(営業利益率、ROE、ROA)は明確には見つからなかった。

一般的傾向を参考にすると、医療機器・福祉機器業界は資本集約的、研究開発・品質保証コストが高いため、営業利益率は 3〜8%程度(業界や製品ポジショニング次第)、ROE 5~10%前後という企業も多い。ただしこれはざっくりした業界水準の感覚で、プラッツのような小規模・ニッチ企業だとブレが大きい。


4. セクター平均との乖離と要因

プラッツの営業利益率は近年、業績回復期でも低水準(1〜2%台)という状況 → セクター平均と比べると明らかに見劣りする可能性が高い。

主な乖離要因(仮説込み)

  • 規模の小ささゆえスケールメリットが働きにくい
  • 原材料・部品の調達コスト上昇(特に為替変動、輸入部材)
  • 研究開発・品質保証・法規対応コストの固定費が重くのしかかる
  • 流通チャネル(福祉用具貸与事業所、中小販路など)が分散しており、営業・管理コスト比率が高い
  • 赤字時期の蓄積で安全余裕の薄さ → コスト圧力に弱い
  • 製品競争力の差:高価格帯製品、差別化製品なら収益率向上余地ありだが、低価格・中価格帯重視でマージンを削る競争を余儀なくされてきた可能性

しかし、プラッツは “低価格” を掲げており、マージンを圧迫しつつ顧客基盤を広げようという戦略も同居していると考えられる。


5. 売上構成比

Yahoo!ファイナンスの企業情報欄に、連結事業別構成比のデータがある:

  • 福祉用具流通市場:56%
  • 医療・高齢者施設市場:25%
  • 家具・寝具流通市場:18%
  • 海外市場:2% (Yahoo!ファイナンス)

説明:

  • 56%(福祉用具流通市場):介護・在宅用ベッド、福祉用具貸与ルートを通じた流通販売
  • 25%(医療・高齢者施設市場):病院・介護施設・高齢者施設向けのベッド導入・設備提供
  • 18%(家具・寝具流通):一般消費者向け、家具・寝具販売チャネル経由の製品
  • 2%(海外):輸出、海外拠点を経由した販売

この配分から、プラッツの主力は国内福祉用具流通チャネル。医療・施設市場も補完的。家具・寝具流通は従属的な収益源。


6. 財務健全性

調べられる限りで評価:

強み・ポジティブ要素

  • 赤字期を乗り越え、営業利益回復への動きあり
  • 進捗好調なら通期上方修正できる柔軟性を持っている(会社自体が修正発表) (株探)
  • 売上の一定規模を維持しており、事業継続可能性あり

懸念点・弱み

  • 利益率が低く、安全余力が薄い
  • 赤字時期の累積負債・繰延税金資産の取り崩しリスクがある
  • 流動性比率や自己資本比率など具体的数値は公表資料に明確な記載がなかった(少なくとも私が見つけられなかった)
  • 規模が小さいので、外部衝撃(原材料価格変動、為替変動、法制度変更など)に耐えにくい

要するに、“安全とは言い難いが、致命傷レベルでもない”というあたり。収益性を改善できるかが命綱。


7. 過去10年の推移と今後の展望・リスク

過去10年の推移(概要ベース)

  • 設立〜上場後、比較的順調に売上を拡大してきた時期がある (FSE)
  • 介護保険制度の改定や市場変化、競合の参入などが過去に業績に影響を及ぼした(他企業類似環境からの推察)
  • 近年(2022〜2023期)は赤字転落、経営環境の厳しさを露呈
  • 2024期で営業赤字を脱し、回復基調への転換兆し見られる

今後の展望・成長要因

  • 高齢化社会の進展:医療・介護需要の長期拡大は追い風
  • 在宅ケア需要拡大:入居型施設だけでなく在宅介護用ベッド需要増加可能性
  • 海外市場の拡大:新興国やアジア市場で医療・介護設備の需要が増える可能性
  • 製品差別化:より高機能、IoT対応、快適性強化などの差別化製品でマージン改善
  • コスト構造改善:原価低減、効率改善、製造・物流最適化など

リスク要因

  • 為替変動・輸入部材価格上昇
  • 介護保険制度、行政補助金政策変動
  • 競合他社の価格競争激化、技術革新対応遅れ
  • 製品安全・法規制対応ミス(医療機器規制違反など)
  • 資金繰りリスク:低収益体質が続くと資金余裕が枯渇

8. 競合他社との比較と立ち位置

プラッツは比較的小規模・ニッチな企業。大手医療・介護機器メーカー(テルモ、パラマウントベッド、シーホネンスなど)には資本力・技術力・販売網で見劣りする。

優位性・差別化可能性

  • 小回り:大企業より製品企画や顧客対応に柔軟性がある
  • コスト重視戦略:中低価格帯でシェアを狙う戦略を取れる
  • 既存顧客ネットワーク:福祉用具貸与事業所との関係構築を活かせる

劣勢点

  • 研究開発投資余力が限定的
  • ブランド力・信頼性で大手に軍配が上がる場面多し
  • 海外展開力(販路・規制対応など)で劣る可能性

立ち位置としては、「中堅ニッチ特化型プレーヤー」。大手との正面戦争は避けつつ、特定セグメントや製品差別化でポジションを築くしかない。


9. 総括

プラッツは医療・介護ベッドという社会貢献性の高い分野で事業を展開しており、将来的需要という意味ではポテンシャルを持っている。ただ、現実は「利益率の低さ」「収益の不安定性」「規模の制約」「外部変動への脆弱性」が大きなハードル。

ポジティブ面

  • 高齢化社会というマクロトレンドに後押しされる市場環境
  • 営業黒字化への転換兆し、通期上方修正が出せる柔軟性
  • 既存チャネルや顧客基盤を活かして基盤安定性を持てる可能性

ネガティブ面

  • 利益率が低水準のままではわずかな逆風で赤字化リスク高い
  • 規模・資本力不足ゆえ競争激化に耐えられない可能性
  • 政策変更・制度改定・為替変動など外部要因に大きく振られる

中長期的には、もしプラッツが製品差別化(高付加価値化、技術・IoT融合など)とコスト構造の改善を同時に実行できれば、安定成長できる可能性はある。ただし、「現状維持」ではジリ貧リスクがかなり高い。