1. 企業概要
株式会社トライアルホールディングス(Trial Holdings Inc.)は、福岡県福岡市東区に本社を構える、日本発のディスカウント業態を展開する企業です。
2015年に設立され、2024年3月21日に東京証券取引所グロース市場に上場しました。主力事業は、郊外型の大型ディスカウントストア「TRIAL」の運営であり、九州を中心に全国に330店舗以上を展開しています。
同社のビジネスモデルは、EDLP(Everyday Low Price)を採用し、低価格の商品を提供することで、地域住民の生活を支えています。さらに、自社開発のITシステムを活用し、物流・販売・在庫管理の効率化を図ることで、競争力を維持しています。
店舗で使うカートには自身でバーコードを読み取るシステムがあります。このカートはトライアルカードやアプリ登録していれば使用可能となり、レジ待ち時間を削減できるなどのメリットがあルため、混雑の解消に貢献しています。
また、2025年7月には、流通業界大手の西友(SEIYU)を完全子会社化し、事業規模の拡大を図っています。これにより、国内外での競争力強化と、リテールAI事業などの新規事業への投資が期待されています。
2. 直近の業績と収益性
2025年6月期(連結)
- 売上高:8,038.29億円(前年比+12.0%)
- 営業利益:211.06億円(前年比+10.2%)
- 当期純利益:117.52億円(前年比+2.7%)
- 営業利益率:2.63%
- ROE(自己資本利益率):未公表
- ROA(総資産利益率):未公表
流通小売事業の好調な既存店売上と積極的な新規出店が業績を牽引しました。特に、リテールAI事業が黒字化を実現し、収益性の向上に寄与しています。
3. セクター分類と指標平均
トライアルホールディングスは、東京証券取引所グロース市場に上場しており、業種分類は「小売業」に該当します。小売業の平均的な指標は以下の通りです:
- 営業利益率:3%〜5%
- ROE(自己資本利益率):5%〜10%
- ROA(総資産利益率):2%〜5%
トライアルホールディングスの営業利益率は2.63%であり、業界平均と比較してやや低い水準にあります。
4. セクター平均との乖離と要因
トライアルホールディングスの営業利益率は、業界平均と比較してやや低い水準にあります。これは、同社が低価格戦略を採用しているため、利益率が抑えられていることが要因と考えられます。しかし、低価格戦略により、顧客の集客力が高まり、売上高の増加につながっています。
また、リテールAI事業の黒字化により、今後の収益性の向上が期待されます。
5. 売上構成比
トライアルホールディングスの連結事業セグメントは以下の通りです:
- 流通小売:100%
- リテールAI:0%
- その他:0%
流通小売事業が全体の売上を占めており、同社の主力事業となっています。リテールAI事業はまだ初期段階にあり、今後の成長が期待されています。
6. 財務健全性
- 資本金:198億1,283万7,100円(2025年6月30日現在)
- 純資産:未公表
- 総資産:未公表
- 自己資本比率:42.00%(2025年6月30日現在)
自己資本比率は42.00%であり、財務基盤は安定しています。また、親会社であるソフトバンクグループからの支援を受けており、資金調達面でも安定性が確保されています。
7. 過去10年の推移と今後の展望・リスク
過去10年の推移
- 2015年:設立
- 2016年〜2023年:九州を中心にディスカウントストア「TRIAL」の店舗数を拡大
- 2024年3月21日:東京証券取引所グロース市場に上場
- 2025年7月:西友を完全子会社化
今後の展望
- 西友の完全子会社化により、事業規模の拡大とシナジー効果の創出が期待されます。
- リテールAI事業の成長により、収益性の向上が見込まれます。
- 海外展開の強化により、グローバルな競争力の向上が期待されます。
リスク要因
- 経済環境の不透明さやコスト高の影響により、収益性の維持には課題が残ります。
- 競争の激化により、価格競争が利益率の低下を招く可能性があります。
8. 競合他社との比較と立ち位置
トライアルホールディングスの主要な競合には、以下の企業があります:
- イオン九州:九州を中心にスーパーマーケットを展開する企業
- 綿半ホールディングス:DIY・ホームセンターを中心とした事業展開を行う企業
- カンセキ:ホームセンターを中心とした事業展開を行う企業
トライアルホールディングスは、ディスカウント業態に特化し、低価格戦略と自社開発のITシステムを活用することで、競争力を維持しています。また、西友の完全子会社化により、事業規模の拡大とシナジー効果の創出が期待されます。
9. 総括
トライアルホールディングスは、地域密着型のディスカウント業態を展開する企業であり、低価格戦略と自社開発のITシステムを活用することで、競争力を維持しています。西友の完全子会社化により、事業規模の拡大とシナジー効果の創出が期待されます。今後、リテールAI事業の成長と海外展開の強化により、収益性の向上とグローバルな競争力の向上が見込まれます。