バローホールディングス(9956)という企業の解説

地域密着型小売業の先駆者


1. 企業概要

株式会社バローホールディングス(Valor Holdings Co., Ltd.)は、岐阜県恵那市に本社を構える、日本の小売業を代表する企業です。

1958年に設立され、中型のスーパーマーケットを中心に、ドラッグストア、ホームセンター、ペットショップ、スポーツクラブなど、多岐にわたる業態を展開しており、これらの業態を組み合わせて出店することで、地域の多様なニーズに応えるとともに、地域シェアの向上を図っています。

スーパーマーケットの王者的なイオンと比較すると、イオン=都市型の量産快適空間バロー=地元重視の実用倹約型。といった形。

  • バローの方が安い傾向。
     日常的な食品・日用品では、イオンよりバローが数%安いことが多い。理由は単純、地元仕入れ・低コスト運営。
     イオンは広告商品で一部激安を出すけど、総合的にはバローのほうが“毎日価格”が低め。
  • イオンは「値引きイベント型」。
     WAONデーとか火曜市とか、会員向け還元で一気に安く見せるやり方。
     つまり「普段は中価格、イベントでドカン」。バローは「常時控えめ価格、派手さゼロ」。

これまでは東海を中心に店舗展開をしていましたが、最近は関東へと進出を始めており、大手の手が届かない地域の顧客確保へ向け、出店場所を選んでいる模様。

バローホールディングスの特徴的な点は、製造から流通・販売までを一貫して担う「製造小売業」としてのビジネスモデルを構築していることです。これにより、流通経路の効率化と中間流通利益の確保を実現しています。


2. 直近の業績と収益性

2026年3月期第1四半期(2025年4月1日~6月30日)

  • 営業収益:2,215億4,600万円(前年同期比+6.8%)
  • 営業利益:70億4,500万円(前年同期比+35.6%)

スーパーマーケット事業を中心に、積極的な出店や新規事業展開が奏功し、増収増益を達成しています。特に、既存店の売上が好調で、利益率の向上にも寄与しています。


3. セクター分類と指標平均

バローホールディングスは、東京証券取引所プライム市場に上場しており、業種分類は「小売業」に該当します。小売業の平均的な指標は以下の通りです:

  • 営業利益率:3%〜5%
  • ROE(自己資本利益率):5%〜10%
  • ROA(総資産利益率):2%〜5%

バローホールディングスの営業利益率は、業界平均と比較してやや高い水準にあります。これは、製造から販売までを一貫して行うことで、コストの削減と利益率の向上を実現しているためです。


4. セクター平均との乖離と要因

バローホールディングスの営業利益率は、業界平均を上回る水準にあります。これは、以下の要因によるものと考えられます:

  • 製造小売業モデルの採用:自社での製造・加工により、仕入れコストを抑制し、利益率の向上を実現しています。
  • 多業態展開:スーパーマーケット、ドラッグストア、ホームセンターなど、多岐にわたる業態を展開することで、収益源を多様化し、安定した収益基盤を構築しています。
  • 地域密着型の店舗運営:地域のニーズに応じた商品・サービスの提供により、顧客の支持を得て、売上の増加につなげています。

5. 売上構成比

バローホールディングスの事業セグメントは以下の通りです(2025年3月31日現在):

  • スーパーマーケット:57店舗
  • ドラッグストア:21店舗
  • ホームセンター:15店舗
  • ペットショップ:4店舗
  • スポーツクラブ:1店舗
  • 流通関連:2店舗

スーパーマーケットが主力事業であり、全体の売上の大部分を占めています。その他の業態も地域のニーズに応じて展開されており、収益の多様化に寄与しています。


6. 財務健全性

  • 資本金:136億900万円(2025年3月31日現在)
  • 発行済株式数:53,987,499株
  • 自己資本比率:未公表

バローホールディングスは、安定した財務基盤を有しており、積極的な出店や新規事業展開に必要な資金を確保しています。また、自己資本比率は高水準にあり、財務の健全性が保たれています。


7. 過去10年の推移と今後の展望・リスク

過去10年の推移

  • 2015年:スーパーマーケット事業の強化とともに、他業態の店舗数を増加。
  • 2020年:新型コロナウイルスの影響で、一時的な売上減少も、オンライン販売の強化により回復。
  • 2025年:スーパーマーケット事業を中心に、増収増益を達成。

今後の展望

  • 積極的な出店戦略:新規店舗の開設により、地域シェアの拡大を目指します。
  • オンライン販売の強化:ECサイトの充実により、顧客の利便性を向上させます。
  • 新規事業の展開:地域のニーズに応じた新たな業態の導入を検討しています。

リスク要因

  • 競争の激化:同業他社との競争が激化しており、価格競争による利益率の低下が懸念されます。
  • 原材料費の上昇:原材料費の上昇が、コスト増加につながる可能性があります。
  • 人手不足:人手不足が、店舗運営やサービス品質に影響を及ぼす可能性があります。

8. 競合他社との比較と立ち位置

バローホールディングスの主要な競合には、以下の企業があります:

  • イオン株式会社:全国規模でスーパーマーケットを展開する小売業大手。
  • ユニー・ファミリーマートホールディングス:スーパーマーケットとコンビニエンスストアを展開する企業。
  • コメリ株式会社:ホームセンターを中心に事業を展開する企業。

バローホールディングスは、中部地区を中心に地域密着型の店舗運営を行っており、競合他社と比較しても高い地域シェアを誇ります。また、製造から販売までを一貫して行うビジネスモデルにより、コスト競争力を有しています。


9. 総括

バローホールディングスは、地域密着型の小売業として、製造から販売までを一貫して行うビジネスモデルを構築しています。これにより、コスト競争力を有し、安定した収益基盤を築いています。最近では神奈川に進出してきており、今後も積極的な出店や新規事業展開をすることにより、さらなる成長が期待されます。

トライアルホールディングス(141A) 地域密着型ディスカウント業態の革新者


1. 企業概要

株式会社トライアルホールディングス(Trial Holdings Inc.)は、福岡県福岡市東区に本社を構える、日本発のディスカウント業態を展開する企業です。

2015年に設立され、2024年3月21日に東京証券取引所グロース市場に上場しました。主力事業は、郊外型の大型ディスカウントストア「TRIAL」の運営であり、九州を中心に全国に330店舗以上を展開しています。

同社のビジネスモデルは、EDLP(Everyday Low Price)を採用し、低価格の商品を提供することで、地域住民の生活を支えています。さらに、自社開発のITシステムを活用し、物流・販売・在庫管理の効率化を図ることで、競争力を維持しています。

店舗で使うカートには自身でバーコードを読み取るシステムがあります。このカートはトライアルカードやアプリ登録していれば使用可能となり、レジ待ち時間を削減できるなどのメリットがあルため、混雑の解消に貢献しています。

また、2025年7月には、流通業界大手の西友(SEIYU)を完全子会社化し、事業規模の拡大を図っています。これにより、国内外での競争力強化と、リテールAI事業などの新規事業への投資が期待されています。


2. 直近の業績と収益性

2025年6月期(連結)

  • 売上高:8,038.29億円(前年比+12.0%)
  • 営業利益:211.06億円(前年比+10.2%)
  • 当期純利益:117.52億円(前年比+2.7%)
  • 営業利益率:2.63%
  • ROE(自己資本利益率):未公表
  • ROA(総資産利益率):未公表

流通小売事業の好調な既存店売上と積極的な新規出店が業績を牽引しました。特に、リテールAI事業が黒字化を実現し、収益性の向上に寄与しています。


3. セクター分類と指標平均

トライアルホールディングスは、東京証券取引所グロース市場に上場しており、業種分類は「小売業」に該当します。小売業の平均的な指標は以下の通りです:

  • 営業利益率:3%〜5%
  • ROE(自己資本利益率):5%〜10%
  • ROA(総資産利益率):2%〜5%

トライアルホールディングスの営業利益率は2.63%であり、業界平均と比較してやや低い水準にあります。


4. セクター平均との乖離と要因

トライアルホールディングスの営業利益率は、業界平均と比較してやや低い水準にあります。これは、同社が低価格戦略を採用しているため、利益率が抑えられていることが要因と考えられます。しかし、低価格戦略により、顧客の集客力が高まり、売上高の増加につながっています。

また、リテールAI事業の黒字化により、今後の収益性の向上が期待されます。


5. 売上構成比

トライアルホールディングスの連結事業セグメントは以下の通りです:

  • 流通小売:100%
  • リテールAI:0%
  • その他:0%

流通小売事業が全体の売上を占めており、同社の主力事業となっています。リテールAI事業はまだ初期段階にあり、今後の成長が期待されています。


6. 財務健全性

  • 資本金:198億1,283万7,100円(2025年6月30日現在)
  • 純資産:未公表
  • 総資産:未公表
  • 自己資本比率:42.00%(2025年6月30日現在)

自己資本比率は42.00%であり、財務基盤は安定しています。また、親会社であるソフトバンクグループからの支援を受けており、資金調達面でも安定性が確保されています。


7. 過去10年の推移と今後の展望・リスク

過去10年の推移

  • 2015年:設立
  • 2016年〜2023年:九州を中心にディスカウントストア「TRIAL」の店舗数を拡大
  • 2024年3月21日:東京証券取引所グロース市場に上場
  • 2025年7月:西友を完全子会社化

今後の展望

  • 西友の完全子会社化により、事業規模の拡大とシナジー効果の創出が期待されます。
  • リテールAI事業の成長により、収益性の向上が見込まれます。
  • 海外展開の強化により、グローバルな競争力の向上が期待されます。

リスク要因

  • 経済環境の不透明さやコスト高の影響により、収益性の維持には課題が残ります。
  • 競争の激化により、価格競争が利益率の低下を招く可能性があります。

8. 競合他社との比較と立ち位置

トライアルホールディングスの主要な競合には、以下の企業があります:

  • イオン九州:九州を中心にスーパーマーケットを展開する企業
  • 綿半ホールディングス:DIY・ホームセンターを中心とした事業展開を行う企業
  • カンセキ:ホームセンターを中心とした事業展開を行う企業

トライアルホールディングスは、ディスカウント業態に特化し、低価格戦略と自社開発のITシステムを活用することで、競争力を維持しています。また、西友の完全子会社化により、事業規模の拡大とシナジー効果の創出が期待されます。


9. 総括

トライアルホールディングスは、地域密着型のディスカウント業態を展開する企業であり、低価格戦略と自社開発のITシステムを活用することで、競争力を維持しています。西友の完全子会社化により、事業規模の拡大とシナジー効果の創出が期待されます。今後、リテールAI事業の成長と海外展開の強化により、収益性の向上とグローバルな競争力の向上が見込まれます。