アセットアロケーション(asset allocation)とは、簡単に言うと「資産の配分」のこと。投資戦略として、資金をどの資産クラスにどの割合で振り分けるかを決めることを言う。
資産クラスには主に以下のようなものがある。
- 株式(国内・海外):高リターンだが乱高下が激しい。海外株の方が成長率高め。
- 債券(国内・海外):安定してるがリターンは控えめ。海外債は為替で多少揺れる。
- REIT:株と債券の中間。周期的な上げ下げがあるが、長期では右肩上がり。
- 現金・短期資産:ほぼ横ばい。インフレに弱い。
- コモディティ(金・原油など):大きく上下するが、長期では実物価値に支えられて伸びる。
目的
アセットアロケーションの狙いは「リスクとリターンのバランスを最適化する」こと。
1つの資産に偏ると、リスク(値動きの振れ幅)が大きくなる。異なる性質を持つ資産を組み合わせることで、値動きの方向が分散され、全体のリスクを下げながらリターンを安定させる。
株式の中でも分散することは基本だが、俯瞰すると同一クラスは一緒に動いている。他のクラスの資産を組み合わせることで最適化を図ると言うこと。
考え方
自分のリスク許容度を考える。そのためには、どの程度の損失まで耐えられるかを自己分析をする必要がある。
そして投資目的・期間を決める。5年先の教育資金なのか、20年先の老後資金なのかで最適な配分は異なる。
経済環境を予想する。金利上昇局面では債券が下がりやすく、インフレ時には株式やコモディティが有利、など。
たとえば「中リスク・中リターン」を狙う人ならこんな構成が一般的。
- 国内株式:25%
- 海外株式:25%
- 債券(国内外):40%
- その他(REIT・金など):10%
つまり、アセットアロケーションは「どの銘柄を買うか」よりも前に考えるべき投資の設計図みたいなもの。実際、長期的な運用成績の8〜9割は、この配分の決め方でほぼ決まると言われてる。
どんな考え方で配分を決めればいいかは年齢・目標・相場観などで変わってくる。
1. 年齢とライフステージで考える
ざっくり言えば、「若いうちはリスクを取れる、年を取るほど守りに入る」。
時間があるうちは損失を回復できる余裕があるから、株式の比率を高くできる。
例
- 20〜30代 → 株式60〜80%、債券20〜40%、現金ほぼゼロ
- 40〜50代 → 株式40〜60%、債券30〜50%、現金10〜20%
- 60代以降 → 株式20〜40%、債券40〜60%、現金20〜30%
代表的な配分モデル(参考)
- 安定型:株20%、債券60%、現金20%
- バランス型:株50%、債券40%、現金10%
- 積極型:株70%、債券25%、現金5%
- グローバル型:国内外株式・債券・REITを広く分散
時間=最大のリスク緩和装置となる。
2. 目的と投資期間
「何のための資金か」で配分を変える。
- 短期(1〜3年):元本割れを避けたい → 債券・預金メイン
- 中期(3〜10年):ある程度増やしたい → 株式と債券のバランス型
- 長期(10年以上):成長重視 → 株式多め、海外も含めて分散
もし「老後資金」なら、時間分散(毎月積立)とアセット分散(株・債券・REITなど)を両方組み合わせると安定する。
3. 相場観や経済環境
これは中級者向けだが、今の世界情勢で配分を微調整する考え方。
- 金利上昇期 → 債券比率を下げ、株・コモディティを増やす
- インフレ期 → 実物資産(不動産・金)が強い
- 景気後退期 → ディフェンシブ株・債券比率を上げる
ただし、「完璧なタイミングで動ける人はいない」ので、やりすぎると逆効果になる。
基本配分を決めたら、年1回くらいリバランス(配分調整)すれば十分。
ちなみに基本配分を変える事も状況により必要だが、運用していくと元の配分からズレてくる。その場合は運用益で上がった分を売却し、下がっているクラスに投資する。
そうやってバランスを正していくことで効率的に利益を得ることができる。