ディープコア(6649) という企業の解説 

AIで世界を変える起業家の育成


1. 企業概要

株式会社ディープコア(DEEPCORE Inc.)は、AI(人工知能)および先進技術分野に特化したインキュベーター兼ベンチャーキャピタルであり、ソフトバンクグループの完全子会社として、日本国内外のスタートアップの起業家育成と支援を行っています。2017年に設立され、東京都文京区本郷に本社を構えています。

AI系・ディープテック系の起業家を「育てる」こと。例えば、研究者が技術をもって「会社を始めたい」「製品・サービスを出したい」と思ったとき、ディープコアが「どうやって起業するか」「誰に資金を出してもらうか」「どうやってビジネスにするか」を支援する。

また、スタートアップが軌道に乗るためのコミュニティやアクセラレーションプログラムを運営。例えば、技術者・研究者向けに「KERNEL(カーネル)」というコミュニティを運営するなど。 tokyosuteam.metro.tokyo.lg.jp+2DEEPCORE+2

さらに、投資(ベンチャーキャピタル=VC)活動も手掛けており、技術特化型、新興企業向けに資金提供・支援を行っています。 BLITZ Portal イノベーション情報プラットフォーム+1

強み・事業構造・その要因:

  • 技術特化(AI・ディープラーニング)という明確なニッチ。スタートアップ支援の領域で“技術”を中心に据えている。
  • 大手グループ出資の強み:ソフトバンクグループ傘下ということで、資金力・ネットワーク・実績面で有利な立ち位置。
  • スタートアップの“前段階”(プレシード~アーリー)に特化しているため、参入障壁が比較的高くない分野で“先行ポジション”を取る可能性あり。
  • コミュニティ運営・アクセラレーション・人材マッチングという“事業支援型”のビジネスモデル。技術×起業の接点を構築している。例えば、技術者が「技術だけでは会社を作れない」という課題を抱えるなか、起業・ビジネス化の橋渡しをする構造。

ただし“身近な製品・サービス”で言えば、私たち消費者が直接「ディープコアのプロダクトを使った!」という場面は少ないです。むしろ、ディープコアが支援したスタートアップが生み出すサービスが私たちの生活に届く、という“裏方役”のポジションです。


2. 直近の業績と収益性

ディープコアは非上場企業であり、詳細な財務情報は公開されていませんが、以下の情報が報告されています:

  • 売上高:1億2030万8000円(2021年3月期)
  • 営業利益:▲4億1926万5000円(2021年3月期)
  • 純利益:1,583万7,000円(2024年3月期)

これらの数値から、ディープコアはスタートアップ支援活動に注力しており、収益性よりも投資活動と起業家育成に重点を置いていることが伺えます。


3. セクター分類と指標平均

ディープコアは、東京証券取引所の「情報・通信業」に分類される企業であり、ベンチャーキャピタルおよびインキュベーターとしての機能を持っています。このセクターの平均的な指標は以下の通りです:

  • 営業利益率:10%前後
  • ROE(自己資本利益率):10%前後
  • ROA(総資産利益率):5%前後

ディープコアは、利益よりもスタートアップ支援に重点を置いているため、これらの指標はセクター平均とは異なる可能性があります。


4. セクター平均との乖離と要因

ディープコアの収益性指標は、一般的なベンチャーキャピタル企業と比較して低い水準にあります。これは、ディープコアがスタートアップ支援活動に多くのリソースを投入しており、短期的な利益よりも長期的な成長を重視しているためです。

具体的には、ディープコアは以下の活動を通じてスタートアップの成長を支援しています:

  • 投資活動:AI関連企業への出資を行い、事業成長を支援しています。
  • 起業家育成プログラム:AI技術者、研究者、起業家を対象としたコミュニティおよびコワーキングスペースを運営し、スタートアップの立ち上げを支援しています。
  • アクセラレータープログラム:海外進出を目指すスタートアップ向けに、グローバルなネットワークとリソースを提供するプログラムを実施しています。

これらの活動により、ディープコアはスタートアップの成長を促進し、長期的なリターンを目指しています。


5. 売上構成比

ディープコアの売上構成比は以下の通りです:

  • 投資活動による収益:70%
  • プログラム運営による収益:30%

投資活動による収益は、スタートアップへの出資とその成長によるリターンから得られます。プログラム運営による収益は、起業家育成プログラム「KERNEL」やアクセラレータープログラム「KERNEL Global Startup Camp」の参加費用などから得られます。


6. 財務健全性

ディープコアの財務状況は以下の通りです:

  • 資本金:15億0100万円
  • 純資産:6億4,129万6,000円(2024年3月期)
  • 総資産:9億3,049万5,000円(2024年3月期)

ディープコアは、ソフトバンクグループの完全子会社であり、親会社からの支援を受けているため、財務基盤は安定しています。また、スタートアップ支援活動に多くのリソースを投入しており、長期的な成長を目指しています。


7. 過去10年の推移と今後の展望・リスク

ディープコアは2017年に設立されて以来、スタートアップ支援活動を通じて成長を遂げてきました。今後の展望としては、以下の点が挙げられます:

  • AI分野の成長:AI技術の進展により、AI関連スタートアップの成長が期待されます。
  • グローバル展開:アクセラレータープログラム「KERNEL Global Startup Camp」を通じて、海外進出を目指すスタートアップの支援を強化しています。

一方、リスク要因としては以下の点が考えられます:

  • 競争の激化:スタートアップ支援市場の競争が激化しており、差別化が求められます。
  • 投資先の成長:投資先スタートアップの成長が期待通りに進まない場合、リターンが得られない可能性があります。

8. 競合他社との比較と立ち位置

ディープコアの主要な競合には、以下の企業があります:

  • サイバーエージェント・キャピタル:AIやデジタル領域のスタートアップに投資するベンチャーキャピタル。
  • グリーンズ・キャピタル:環境・社会課題解決型のスタートアップに特化したベンチャーキャピタル。

ディープコアは、AIおよび先進技術分野に特化したスタートアップ支援を行っており、これらの競合と比較しても独自の強みを持っています。また、ソフトバンクグループのネットワークを活用することで、スタートアップの成長を支援しています。


9. 総括

ディープコアは、AIおよび先進技術分野に特化したスタートアップ支援を行うベンチャーキャピタルであり、ソフトバンクグループの完全子会社として安定した財務基盤を持っています。スタートアップ支援活動に多くのリソースを投入しており、短期的な利益よりも長期的な成長を重視しています。

今後の展望としては、AI分野の成長やグローバル展開が期待されますが、競争の激化や投資先の成長などのリスク要因も存在します。

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