沖縄セルラー電話(9436) 沖縄につなぐ、いつでもどこでも通信


1. 企業概要

沖縄セルラー電話(以下、沖縄セルラー)は、KDDIグループに属し、沖縄県を活動エリアとする地域通信事業者です。

主力はauブランドによるモバイル通信で、沖縄県内シェア約50%を安定的に握っています。また、光ファイバーインターネット(FTTH)や電力小売サービス「auでんき」、法人向けソリューションなど多角的に展開。

人口の増加率が高い沖縄という地理的優位性を背景に、5Gインフラ整備、ネットワークスライシング対応などを通じ、地域密着戦略を進めています 。


2. 直近期の業績と収益性

2025年3月期の連結業績は以下の通りです:

  • 2025年3月期 売上高:843.14億円(前期比+8.1%)
  • 営業利益:177.61億円(前期比+4.4%)
  • 営業利益率:21.1%(前期21.8%→21.1%)
  • ROE(自己資本利益率):12.85%(予想13%)
  • ROA(総資産利益率):10.49%(予想10.61%)

3. セクター分類と平均的収益指標

沖縄セルラーは「情報・通信業」のうち「携帯電話キャリア」セクターに属します。同セクター平均は以下の通りです :

  • 営業利益率:約17.3%(セクター平均)
  • ROE:約12.1%
  • ROA:約7.0%

4. セクター平均との比較と乖離理由

沖縄セルラーは以下点でセクター平均を上回っています:

  • 営業利益率:21.1%(+3.8ポイント)
  • ROA:10.49%(+3.5ポイント)

乖離の要因

  1. アセットライトなビジネスモデル
    地域特化により設備投資負担が抑制されており、減価償却費が相対的に少ない 。
  2. 高ARPU戦略
    5Gによる通信利用量増加や付加価値(コンテンツ、ソリューション等)の強化によりユーザー一人当たりの収益性が高い 。
  3. 多角化と付帯事業の寄与
    FTTHや電力販売、法人向けソリューションの伸びが売上・利益構造を押し上げている。

5. 売上構成比と内容

2025年3月期のセグメント別売上構成は以下の通り :

  • モバイル通信(電気通信事業):60.7%(約507億円)
    → au・UQ・povoブランドによる通信サービスのみならず、端末販売も含む。
  • 付帯事業(FTTH/auでんき/法人ソリューション等):39.3%(約327億円)
    → 光回線、電力、ソリューション販売が寄与。付帯事業単独では前期+22.4%成長と牽引役 。

6. 財務健全性

  • 自己資本比率:約81.6%。無借金経営を継続 。
  • 有利子負債は極めて少なく、財務リスクは極めて低い。
  • 継続的に配当性向40%超、自社株買いも実施され内部留保を還元に活用 。
    → 総じて、財務体質は非常に健全と評価できます。

7. 過去10年の推移と将来展望・リスク

  • 過去10年:増収増益が継続し、2025年3月期で14期連続増収増益を達成 。ROE・ROAも安定推移で、直近ではROE ≈12.8%、ROA ≈10.5% 。
  • 今後の展望
  • 中期計画(~2025年)では5G強化、FTTH・auでんきの増加、法人向けDX展開などに注力 。
  • 次期中期計画では売上1,000億円(+約19%)、成長分野売上300億円規模を目指す 。
  • リスク要因
  • キャリア間競争激化による解約率上昇 → UQブランドで影響顕在化 。
  • 為替変動:端末輸入価格への依存。円安の影響により端末コスト増加リスク 。
  • 電力小売事業:電力価格高止まりの間は採算悪化の可能性あり 。

8. 主要競合との比較と立ち位置

沖縄セルラーは主にKDDI、NTTドコモ、ソフトバンクと競合しますが、以下点で差異化しています:

  • 地域特化とシェア集中:沖縄県内マーケットに集中し、地域密着・高シェア経営 → コスト効率・ブランド力に寄与。
  • アセット軽量化:全国展開キャリアより設備負担が少なく、収益性高水準を維持。
  • 多角化成長:FTTH/電力/DXソリューションにより、モバイル依存から脱却し収益構造の強靭化を図る。

競合平均と比べて営業利益率・ROAにおいて優位な立ち位置であり、地域キャリアながら全国大手に匹敵する収益性を確保しています。


総括

沖縄セルラー電話は、人口増と地域特化戦略、高い市場シェア、積極的な5G・光回線・電力ソリューション展開により、高収益体質を実現しています。通信業界の平均を上回る営業利益率とROAは、アセットライトモデルと高ARPU戦略の成果です。無借金経営による安定財務と株主還元姿勢も評価ポイント。

一方、競争激化、為替、電力市場変動のリスクは注意が必要です。今後も中期計画追い風を受ける一方で、リスク対応力が業績継続の鍵となるでしょう。

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