アズーム(3496) 不動産 × データで資産が目覚める


1. 企業概要

アズームは2009年設立、2018年に東証グロース市場へ上場した遊休資産活用型の不動産(駐車場)サービス会社です (scouter.monex.co.jp)。

主軸は、月極駐車場のサブリース運営と検索ポータル「CarParking」による、駐車場オーナーと利用者をマッチングするビジネスです。

また、近年は貸会議室などの「スマート空間」や3DCG/VRを活用した不動産可視化サービス(ビジュアライゼーション事業)へと事業領域を拡大しています (scouter.monex.co.jp)。

経営方針としては、「遊休資産の最大活用」「収益の多軸化」に注力。サブリースにより安定収益を確保しつつ、空き会議室や広告スペースを活用することで、収益性とスケーラビリティの両立を図っています。また、VR/3DCGなどの先端技術導入で、物件価値の新たな可視化を通じた差別化を図っています 。


2. 直近の業績と収益性(25年9月期通期/同中間実績)

  • 売上高:125.0億円(前期比+18.6%)
  • 営業利益:25.0億円(同+36.8%)、営業利益率20.0% (kabutan.jp)
  • 経常利益:24.9億円(同+36.3%)
  • 当期純利益:16.19億円(同+25.7%)
  • ROE:37.3%、ROA:25.94%(ともに25年9月期予想) (finance.yahoo.co.jp, irbank.net)

また、25年3月期中間実績では、売上63.19億円(+28.5%)、営業利益11.55億円(+37.6%)と順調な伸びを見せています (finance.yahoo.co.jp)。


3. セクター分類と指標平均

アズームは東証グロース市場の「不動産業」に分類されます (kabutan.jp)。同セクターの代表的財務指標は以下が目安です:

  • 営業利益率:5~10%
  • ROE:10~15%
  • ROA:3~8%

4. セクター平均との乖離と要因

指標アズームセクター平均差異
営業利益率20.0%5~10%+10~15ポイント
ROE37.3%10~15%+22~27ポイント
ROA25.9%3~8%+17~23ポイント

高収益・高効率の理由

  • 高マージンビジネスモデル
    サブリース収益はストック型で、一次取得後の維持コストが比較的低い構造。加えて「CarParking」がマッチング手数料を収益化しており、スケールに応じて利益率が改善します (irbank.net)。
  • 低資本効率での収益
    遊休資産を活用することで設備投資を抑えつつ収益化。資産回転が良く、ROA・ROEの高水準維持につながっています。
  • 技術による差別化
    VR/3DCGを組み合わせたビジュアライゼーション事業が付加価値を提供し、他社との差別化に寄与しています (scouter.monex.co.jp)。

5. 売上構成比

  • 約80%:遊休資産活用事業(駐車場サブリース・ポータルサイト等)
    → サブリースは安定収益を、ポータルは成長ストック収益を生むビジネスモデル (scouter.monex.co.jp)。
  • 約15%:スマート空間予約(貸会議室/ジム等のレンタルスペース)
    → オーナーからの固定収益と利用手数料収入の複合モデル (scouter.monex.co.jp)。
  • 約5%:ビジュアライゼーション事業(VR/3DCG)
    → 不動産仲介・販売向けに可視化ソリューション提供。利益率は高めで成長分野。

6. 財務健全性

アズームは非常に健全な財務体質を維持しています:

  • 自己資本比率67%以上(25年3月期中間:69.5%) (finance.yahoo.co.jp)
  • 有利子負債ほぼゼロ、D/Eレシオ極低水準
  • 営業CF:約8.13億円(前年同期比+49.1%)、フリーCF常に黒字 (finance.yahoo.co.jp)
  • 安定配当+継続的な増配(配当予想:1株40円、配当性向約15%) (buffett-code.com)

低リスク・高成長に耐えうる財務構造で、今後の投資余力も豊富です。


7. 過去10年の推移と今後の展望・リスク

過去10年の成長軌跡

  • 売上:2017年12.2億円 → 2024年105.4億円 → 2025年125億円へ拡大 (irbank.net)。
  • 営業利益率:5%台から20%台へ上昇。
  • ROE/ROA:2024年34%超、2025年更に上昇予想(ROE37.3%、ROA25.9%) (zaimani.com)。

今後の展望

  • 遊休資産の更なる取り込み:地方空き地や会議室など未活用資産の収益化余地が大きい。
  • ユーザー基盤拡大:CarParkingの利用者増と、ビジュアライゼーションの拡販による付加価値売上の増加。
  • 多角ポートフォリオ強化:複数の収益源により、安定と成長の両立を実現。

リスク

  • 不動産市況の地域差・需給変化
  • サブリース過剰供給による賃料低下リスク
  • VR/3DCG事業の競争激化、収益化の継続性に懸念
  • マクロ金利・貸借ルールの変化による投資コスト・収益性の影響

8. 競合他社との比較と立ち位置

  • 駐車場サブリース分野:他地域特化型業者や大手不動産会社。アズームは専業&自社ポータル運営による強みあり。
  • スマート空間事業:レンタルスペースではスペースマーケットなどと競合する中、駐車場+会議室の両輪展開が差別化要素。
  • ビジュアライゼーション:不動産可視化技術では他ITベンチャーとも競合。VR+不動産両面の業務連携で優位性を確保。

→ 総じて、遊休資産を核としつつ複数の収益ジャンルを軽資本で展開する戦略により、同業他社と比べて高収益・高成長・高効率を兼備しています。


総括

アズーム(3496)は、駐車場サブリース+ポータル運営のストック型ビジネスを主軸に、スマート空間・ビジュアライゼーションという高付加価値サービスを併設した、軽資本で高収益を生むモデルが光る企業です。営業利益率20%超、ROE37%超、ROA26%超という極めて高い収益性は、不動産業として突出しています。

財務は無借金・高自己資本比率で安定しており、将来投資や増配にも余力あり。遊休資産の拡大と技術展開によって、今後もさらなる成長が期待されます。ただし、不動産需給変動や技術分野の競争には注意が必要で、バランス感のある成長戦略が今後のカギです。

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